人生の後半に向けて

いつの間にか、50前になった。
48歳。堂々の中年である。
文字にすると、結構来るものがあるね。

パサついて、目に見えて減ってきた髪。
大きくなってきた顔、広がっていく鼻の穴、荒れた肌、弛んだ輪郭。
筋力が落ちて下垂した贅肉、丸まった背中、ぽっこり突き出たお腹。
おじさん、の下には、既に老人が準備されている。
昔ほど脂が消化できない、走れない、長時間眠れない、高い音が聞こえない、細かい文字が見えない、集中できない。
こうやって年を取っていくのだな。

生き物、というか、身体能力のピークは何歳くらいだっただろう。
20歳前後か。
体力と集中力に任せてがむしゃらに勉強できた。
今はもう、勉強するのも音楽を聴くのも集中力がない。
若い時には、それは甘えだと唾棄していたのだけれど。
こうやって年をとっていくのだ。

職業人、というか司法書士としての能力のピークは、今現在か若しくは越えてしまって少し下ったところだろうか。
おかげさまで増え続けている受任件数も捌けているし、案件も質問も大体は既視感がある(それでも未だに初めての案件があるのが怖いところ)。
一方で、法改正の勉強が追い付かなくなってきたし、昔ほど条文がすぐに出てこなくなってきた。
日付の感覚が鈍くなってきたことから(今は何年何月の何曜日だ?)事故への注意がより一層必要になってきたし、長時間の残業する体力もなくなってきた。
この程度がピークかと思うと何だか情けない気もするが、営業らしい営業も全くせずに、何年にもわたって人よりも少し多めに仕事を頂けたのだ。
「先生、難しいの専門ですか」と聞かれることさえあるのだ(全然専門じゃないです、簡単なの下さい)。これ以上は贅沢なのだろう。
年をとったのだ。

この後は、他の司法書士にも来てもらって、事務所としては仕事の質・量ともに落とさずに自分の負担を軽くしていく、というのが理想なのかもしれない。
自分の取り分は、そんなに沢山はいらない。
一緒にやれる相手が見つからなければ(なにぶん松村はやや偏屈で人見知りなのだ)、いずれは受任件数を少しずつ減らしていくしかないだろう。
もともと、生きていくのにそれほどお金のかかるタイプではないし。
いずれは体を労わりながら細々と、というありきたりな感じになっていくのだろうな。
若い時には嫌っていた考え方なのだが。
まだ早いよ、と言われるかもしれないけれど、少しずつ老いへの準備をしていきたい。
これからも年を取り続けるのだ。


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石川県金沢市 司法書士・行政書士 松村義信
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