休眠担保の抹消

君の中に眠っている美しいものは、決して抹消してはいけないんだぜ。松村です。

前回、司法書士倫理(?)について触れたので、倫理からみでもう1件。
前回みたいなおふざけじゃないやつ。

土地に明治時代の古い抵当権が残っております。
抵当権者は、今は存在しない古い銀行。
この抹消登記のご依頼でございます。
因みに、同業者からする「ふーん」って感じですが、同業者以外の方からすると何を言っているのか意味不明な大変マニアックな話でございます。

石川県の司法書士は県内の古い金融機関についてはタネ本(金沢登記研究会刊「県内に本店を置く金融機関の変遷」。多分非売品)を持っておりますので、「得意じゃ、任せとけ」と格好良く(?)受任したのですが・・・。
この銀行、古すぎてタネ本に載ってないじゃん!マジか。

しかも、です。
調べてみると、同じ本店・同じ商号なのに別会社で2社ある・・・。
うそやん。
当時は同一商号が禁止されてなかったのか・・・?

2社のうち、1社ははるか昔に清算結了して会社の登記簿も閉鎖済み。
2社のうち、1社は・・・
大正時代の役員変更登記を最後にその後の登記はされて無い。
んん?
解散も合併も何もされて無い???
念のため法務局に確認したところ、
「この会社の登記簿、間違って解散済みのファイルに紛れ込んでた。解散登記入ってないから、この登記簿生きてるね(大昔の話やし、当時の担当者なんかいるはずないから経緯は分かんね)」
とのこと。

さて、ここからが問題。
・清算結了した会社→抵当権消すのは比較的容易
・形式上(だけ)生きてる会社→抵当権消すのは・・・凄く・・・大変

不動産登記簿上の抵当権者は、清算結了した会社なのか、形式上(だけ)は生きてる会社なのか、区別がつかない。
何せ、同一商号同一本店なもんで。
区別がつかん以上、清算結了した会社だという事にして手続きしてしまえばとっても楽。
私も楽だし、お客様も費用負担が楽。
ただ、別会社の可能性があることも、こちらは認識しちゃってるんだよね。
形式上は生きてる方も実際上は営業されて無いだろうから、後で損害賠償等の問題になる事は無いだろうけど。
勝手に清算結了済みの方だと断定して楽に抹消しちゃって良いのだろうか、司法書士倫理的に?

あれこれ悩んでお付き合い頂いている弁護士さんにも相談したりしてみたのですが、結局、依頼自体が取りやめになりました。

因みに、暫定的に出した結論としては、清算結了してる方だとして楽に消しても良いかな?だったんですけどね。


私の中にある美しいもの・・・(そんなんあったっけ?)?
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石川県金沢市 司法書士・行政書士 松村義信
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